inversionista

プロ投資家と個人投資家のあいだにある壁を知識でぶち壊したい

ちょっと変わった売上高営業利益率のテクニック

 

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出所:「ぱくたそ」


代表的な経営指標に、ROE(自己資本収益率)

ROA(総資産利益率)とがあります。ただ、こちらの指標は、扱いに注意が必要です。

 

ROE(自己資本収益率)

=当期純利益÷自己資本×100

自己資本でどれくらいの収益を生み出しているかを表す。数値が高いほど収益性が高い。

 

 

ROA(総資産利益率)

=当期純利益÷総資産×100

総資産でどれくらいの収益を生み出しているかを表す。数値が高いほど収益性が高い。

 

 

 どちらも分母に貸借対照表(バランスシート)にある数字を使います。分母を小さくすれば、この二つの指標は、大きくなります。

なので、収益性を良く見せるために、分母である自己資本や総資産を小さくするようなインセンティブが働きます。特に、ROEを目標値に上げている企業は、自社株買いや、建物などの資産を売却することで、この数字を作りに行くことがあります。

 

 2019年は、株価対策として、多くの企業が自社株買いをしていました。株主は自社株買いをすると、株価が上がるからです。

 そもそも自社株買いとは、市場に出回っている株を会社が買い取り、償却することです。そうすると、利益が変わらないまま市場に出回る株数が減るので、1株あたり純利益が上昇します。1株の価値が上昇したので、市場の期待が変化しなければ、株価の上昇につながります。

 

 一方で、自社株買いをする際には、自己資本を用いるので、財務体質の健全性を表す自己資本比率(自己資本÷総資産)が低下します。また、自己資本を将来の成長のための設備投資などに用いないことは、会社が成長に投資することを諦めたと市場に捉えらてしまう可能性があります。

そうなると今後の売上の伸びに期待できなくなってしまうので、会社の成長に投資をしている人間にとっては、自社株買いをする会社には、投資する意味合いが薄れてしまいます。

 一般的には、自社株買いは、会社はROEを高められますし、株価が上昇するので、資金余力があると、株価対策として取り組みたい施策の一つです。ただ、前述の通り、健全性を犠牲にしてしまうのです。

 

 このようにROEは高めようと思えば会社の意図で高められるので、指標としての客観性に疑問があります。

 

 そこで、私は、売上高営業利益率を株式分析する際に重視しています。

 

売上高営業利益率(%

=営業利益÷売上高×100

売上高に対して本業での利益がどれくらいあるかを表す。数値が高いほど収益性が高い。

 

 

 売上高営業利益率は、分母に売上高を用います。もちろん売上高を小さく(誤魔化す)ことで、こちらの数字を人為的に高くすることは可能かも知れません。会社は、できれば、売上高を高くしたいので、そういうごまかしをする理由はないです。

 

 売上高は、「商品を購入してくれた人の評価」と捉えることができます。つまり、売上高営業利益率は、会社の利益(儲け)が商品価格にのっていても買う価値があったかを示しています。

 イメージとしては、外国のチップ文化に近いです。アメリカの飲食店では良いサービスをしてくれたスタッフに、小額の金銭を直接渡すことがあります。チップが多いほど、より良いサービスを提供したと判断できます。あるいは、すけべなおじさんだと、可愛い店員さんだと、多めにチップを上げることがあります。

 チップと同じように、売上高営業利益率が高いと、より良いサービスを提供しているあるいは可愛いと、私は捉えています(可愛い=応援したい)。

 

 投資指標に関する考え方について、知り合いの投資家と、話をした動画があるので、そちらも合わせてご覧ください。

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