株価の大まかな推移
今年、6月8日に東京ドームの株価は、944円と、コロナで底値(617円)をつけて以来の、高値をつけました。
コロナが広がる前の東京ドームの株価は、おおよそ900円から1100円の範囲で推移していたので、900円台というと、ほとんどコロナ前の株価水準に戻ったと言えます。
チャートを見ると、25日移動平均線をサポートライン(下値抵抗線)にほとんど右肩上がりにこれまで上昇していました。
6月10日の株価は、前日から3.68%下がり、890円に下げています。
今期ではなくて来期以降の見通しが重要
東京ドームは、観客を入れてのプロ野球の試合や、ライブなどのイベントが、中止や延期になっています。今年9月に予定されていたSEKAI NO OWARIのライブはすでに中止が決まっています。そういう情報を知っている方は、東京ドームの株価の上昇に疑問を持つかもしれません。
しかし、株価は将来の利益を織り込むので、現在の業績と乖離することがあります。コロナが収束して、イベント等が再開されれば、例年通りの売上が期待できます。そうなると、投資家は、今年の4月に700円で東京ドーム株を購入しておけば、ここ2年の間には、ここ数年の株価の水準1000円くらいに戻り利益を得ることが期待できます。コロナが収束するまでのここ2年間ほどの保有で、30%程度の上昇が見込まれれば、資産運用として悪くはないです。
6月11日に、東京ドームの2021年1月期第1四半期決算があります。こちらで、おそらく今年の業績予想が発表されるはずです。もしかしたら、業績が見通せないため、発表されない可能性もあります。
東京ドームの株を買っている方は、2021年1月期のの業績は相当悪いことを見越して購入しているはずなので、投資家の想定より下回らなければ、株価が急激に下がることはなさそうです。ちなみに、当期利益のコンセンサス(市場予想の平均値)は、前期比の90%減です。
それよりも株価に影響を与えるのは、来期以降の業績見通しです。投資家の関心は、コロナの影響をどうやって克服して、いつになったら例年通りの売上を出せるのかです。今回の決算で、来期以降の稼ぎ方を株主にしっかり提示できなければ、今回の決算が株価下落のきっかけになりそうです。
最後に
以前にブログで書きましたが、東京ドームが、今まで通りの利益を稼ぎ出すことは、難しいかもしれません(東京ドームの株価が上がる理由も分かるが、アフターコロナで利益が減る? - inversionista))。投資家は、アフターコロナの利益予想については、楽観的にならずに、シビアに期待するべきです。
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