inversionista

ファンダメンタル分析に限界を感じ、トレンドフォローに基づき投資をしています。

【セブン銀行】業績がよくても株価が上がらない理由

f:id:inversionista:20201212155555j:plain

目次

 

セブン銀行の事業内容

 セブンイレブン店頭などに設置してあるセブン銀行ATMの会社です。ATM提携金融機関からの手数料収入が柱です。電子マネーのチャージでは、手数料を取ってはいいません。チャージをどのように収益に繋げるのか気になるところです。

 また、決済口座事業や、海外でのATMサービスの展開もしています。

株価の推移

 多くの銘柄は、いわゆるコロナショック(2020年3月)につけた安値が今年の最安値です。ところが、セブン銀行の株価は、11月に、3月につけた安値235円を 下回りました。以降株価が下落を続け、12月8日には216円をつけました。現在のところ216円が今年の最安値です。記事作成時点では、株価は222円です。

 

セブン銀行の業績

 続いてセブン銀行「2020年3月期決算短信」を基に算出した指標です。

ROE 12%

売上高経常利益率 26.82%

となっています。

同業のイオン銀行を持つイオンフィナンシャルサービスは

ROE 8.8%

売上高経常利益率 14.39%

となっています。指標を比べてみると、セブン銀行の方が高い収益性があると言えます。収益性は、悪くはないのになぜセブン銀行の株価が下がるのでしょうか。

セブン銀行の株価が下がる理由は?

コロナでATMを利用件数が減り手数料収益が悪化したから?

f:id:inversionista:20201211154334p:plain

出所:セブン銀行HP「月次データ2020年3月期・2021年3月期」より作成

 グラフをみると、緊急事態宣言が出された4月と5月に利用件数が減っていることが分かります。しかし、6月には、69.4百万件と緊急事態宣言前の水準に戻っています。

 確かに、緊急事態宣言の影響で、利用件数が大幅に減ったはものの、このグラフを見るかぎり、コロナによるマイナスは、限定的なものであったと言えます。もちろん、外出自粛により利用件数の減少が生じています。しかし、11月には、月間の総利用件数が、前年同月と同じ件数となっています(ATMの台数は前年よりも若干多いですが)。今後、ATMの総利用件数は、前年と同じ水準は維持できることが見込めます。

売上高の成長が止まったから?

f:id:inversionista:20201211162435p:plain

出所:セブン銀行「決算短信」より作成

 

 過去5年の経常収益(≒売上高)の推移を見てみると、2019年3月期に前期比15%の増益を達成しました。ところが、2020年3月期は、前期比0.86%プラスと前期と同水準です。増加傾向にあった経常収益の伸びが止まったということは、経常収益が頭打ちをしたと考えられます。そこで、セブン銀行の経常収益に影響を与えるATM台数の推移を見ていきます。

f:id:inversionista:20201211165929p:plain

出所:セブン銀行HP「主要データ」より作成

 ATM台数の推移を見てみると、2016年3月期から2019年3月期まで前期比3〜4%の増加をしています。2020年3月期は、経常収益と同様にATM台数も前年とほぼ同じ水準になっています。

 ATMの設置台数の伸び悩みは、ATMを設置する余地がないか、もしくは積極設置を控えているかのどちらかが要因です。いずれの原因があるにせよ、ATMの設置台数が増えていかないと、セブン銀行の経常収益が成長していきません。

 経常収益が成長していかないと、長期的には株価は、上昇していきません。つまり、セブン銀行は、経常収益の伸びが止まり、今後の成長に期待ができない為、株価が下落していると考えられます。

 

バリュートラップに気をつけろ

 理論的には、PERが低い株は、割安さが解消されることで、株価が上昇します。ところが、実際には、割安な株がそのまま割安なまま放置されることもあります。これをバリュートラップといいます。

 銘柄をスクリーニングする際に、「ROE10%以上」「利益率10%以上」「PER15倍以下」などと検索すると、業績がいいのに割安で放置されている会社が、表示されます。それらを買うかは、少し考える必要があります。なぜなら、現在、日経平均が高値圏にあると言われている中でも、業績がよくても割安なのは、何か理由があるからです。

 PERは、株価÷一株あたり利益で計算できます。この式を整理すると、株価は、一株あたり利益×PERです。言い換えると、株価は、業績×期待と表せます。つまり、どんなに業績が良くても期待が高くならないと株価は上がりません。期待が高くなるためには、将来的な売上が成長していくことが必要です。「保有株の業績がいいのに株価があまり上がらない」と感じている人は、売上がこれから成長していくのかという視点で、会社の分析をしてみてはいかかでしょうか。

 

まとめ

 セブン銀行は、業績がよくても、今後の経常収益が右肩上がりに上昇していかないと、長期的には株価は上昇は見込めないです。つまり、ATMの設置台数が伸びるか、手数料収入が増えるかが、今後の株価上昇のポイントとなります。

 

免責事項

 記事は、一般的な情報提供を目的としたものです。投資勧誘を目的としたものではありません。投資の判断は、1次情報を確認の上、ご自身の責任で行ってください。

スポンサーリンク