inversionista

スペイン語で投資家を意味するinversionista(インベルシオニスタ)がブログタイトルの由来です。投資家の成長を加速させるような記事を書いていきます。

【ホープ】マジ?売上急増も債務超過で株価急落「ヤバい株を見分ける営業キャッシュフローの使い方」

4月19日発表のホープによる会社予想の中で、債務超過の可能性が言及されました。

これは、電力の市場価格の想定外の高騰により売上原価が売上高を上回ってしまったことと、財務体質が年々悪化していたことが、要因として考えられます。

まず、ホープの業績等を簡単に振り返ります。

次に、財務体質の悪化を見抜く方法としての営業キャッシュフローの使い方を見ていきます。

 

 

 

ホープってどんな会社?

自治体に特化したサービスを提供している会社です。

具体的には、自治体に向け「広告事業」「エネルギー事業」「メディア事業」と3つの事業を展開しています

広告事業
自治体が所有する様々なスペース(広報紙・WEBページ・給与明細・庁舎内)に広告枠を設け、掲載料の一部を自治体の歳入に充てることで自治体の財源確保を支援するサービス。


エネルギー事業
従来の電力会社よりも安く電力を供給することで経費削減を支援。また省エネに関する提案も併せて行い、自治体が抱えるエネルギーの問題をトータルサポートします。

 

メディア事業
自治体職員向けに、仕事につながるヒントやアイデア、事例などを紹介するメディアです。自治体運営における業務改善のヒントの提供や自治体向けに事業を展開したい民間企業をサポートします。

 

出所:同社サービス紹介ページより

 2020年6月期、売上高の124.7億円のうち82.9%がエネルギー事業によるものです。ですので、電力の小売会社と言ってもよいです。

ホープの業績

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2020年6月期のホープは、売上高が前期比率273%増の144億円と大幅増収でした。これは、電力事業の売上高が大幅に拡大したことによるものです。

売上高が大きく伸びる一方で、利益(率)が伸びていないことが気になります。

とはいえ、高成長をする会社の場合、将来の成長の為、先行投資をし続けるので、売上の伸びに応じて、利益が伸びていかないこともあります。

このグラフからは、ホープは、先行投資の為、利益率が低いのではないかという予想ができます。

 

続いて、4月19日に発表された2021年6月期予想を見ていきます。

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 今期も売上高の大幅増加は見込む一方で、50億円を越える赤字を見込んでいます。

利益に関しては、ニュースでも取り上げられた、電力価格の高騰が響いたようです。

2021年3期の累計では、売上高から仕入れである売上原価を引いた売上総利益は、65.4億円のマイナスになっています。

 

12月下旬以降、寒さによる電力需要の増加等を受け、スポット市場価格が高騰。
一時、最高価格は250円/kWh、平均価格は150円/kWhを超える水準まで価格が高騰。
※2020年度の年間平均は12.0円/kWh。過去には16.5円/kWh(2013年度)等、更に高水準であった年も存在。

出所:資源エネルギー庁「電力需給状況・市場価格高騰について」

 調べてみたところ、東京電力の第3段階料金(使いすぎて一番高いときの料金)30円57銭/kWhでした。

もちろんホープは30円/kWh未満で顧客に電気を売る契約をしていると思います。そうでないとホープから電気を買うメリットがありません。

となると、1月に仕入れ値が100円を越えた際には、大きな損失が発生しても不思議ではありません。

 

ホープは、電力市場での価格高騰リスクを甘く見積もっていたツケを払う格好になってしまいました。

 

また、業績予想の中で、債務超過の可能性について言及されていました。

仮に資本増強を実施しない場合、当社は 2021 年6月期末において-3,167~-2,291 百万円の債務超過となることが見込まれます。

出所:同社『通期連結業績予想の修正に関するお知らせ』

 それでは財務体質が揺らいでいる兆候をどのように見分けるのか

そもそも営業キャッシュフローとは何か

営業キャッシュフロー(以下:営業CF)とは、会社が本業で生み出すキャッシュの量を表す指標です。つまり、本業で現金をどれくらい増やすことができたかを示します。

 

営業CFのプラスは、事業の継続や成長投資の為に、必要なキャッシュの本業で、生み出せていることを意味します。営業CFはプラスであることが望ましいです。

営業CFで稼いだ以上にキャッシュを使う場合、あるいは営業CFのマイナスの場合は、借入等で外部からの資金調達をするか、資産の売却、現預金を取り崩す必要があります。

 

営業CFのマイナスが継続すると、借入金が増えたり、自己資本の減少により、財務体質が悪化していきます。

 

ホープの営業CFは4期連続でマイナス

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出所:ホープ「決算短信」より作成

2016年に、営業CFのプラスを計上しました。2017年〜2020年まで、はマイナスを計上しています。

 

実は、この間、売上高は約10倍を成長をしています。

それにも関わらず、本業でキャッシュを獲得できていないどころか、キャッシュを失ってます。

本来であれば、売上高増加と共に、営業CFも増加していくことが望ましいです。

なぜなら、営業CFのマイナスが継続してしまうと、資金不足の為、いくら売上高を成長させても会社が潰れてしまうこともあるからです。

 

営業CFのマイナスが続いているので、この間、売上高増加の為に、借入や資産の売却に頼っていることが推察できます。

つまり、ホープは売上高を成長させる一方で、財務体質を悪化させていることが懸念されます。

もちろん、成長を加速させるために、借入等を積極的に増やし先行投資をすることも必要です。

しかし、本業でしっかりとキャッシュを生み出さないと、安定した成長は望めません。

 

自己資本比率は半分に

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出所:ホープ「決算短信」より作成


 2016年に自己資本比率は30%を越えていました。2020年には20%を割っています。

自己資本比率は、業種等により、適正値が違います。ですので、数字の扱いが難しいです。一般的には、40%以上ですと潰れにくいと言われています。 

 

ホープは、本業ではキャッシュを生み出せていないため、借入等を増やして事業を行っていることが、自己資本比率を見ても読み取れます。

 

 

まとめと学び

ホープは、売上高を急増させた一方で、その間キャッシュを失っていました。

これは、ホープの主力事業である電力小売はおそらく原価率が高い(利益率が低い)ことが要因と考えられます。

そのキャッシュ不足を借入に頼らざるをえなくて、財務体質が年々悪化していきました。

そこに、電力価格が想定外に急騰したので、逆ザヤが生じてしまい、大きな損失を生み出すことになってしまいました。そして、債務超過に陥る可能性が生じてきました。

 

学びとしては、営業CFがマイナスの会社は、ヤバい会社の可能性があります。

特に営業CFのマイナスが継続している場合は、財務体質が悪化している可能性が高いので投資を見送った方が良さそうです。財務体質の悪化を見る指標に、記事でも見た自己資本比率があります。これは、業界によって適正水準が違うので、数値の読み取りがちょっと大変です。

ですので、僕は、営業CF二期連続マイナスの会社はヤバい会社として、投資を見送ることにしています。四季報にも営業CFは二期分の記載があるので、四季報見る際は、参考にしてください。

 

それでは、良い投資を。